130年を超える伝統のある老舗企業である、春華堂。
きっと伝統ある企業の社風って堅苦しいのかな?と不安に感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、わたしたちの社風・価値観はどのような感じなのか。
社内のプロジェクトチームでなんと108個の「わたしたちらしいエピソード」を集め、それをもとに分析・ディスカッションをしてみました。
ここではそのワークの末にまとめた、春華堂の社風・価値観を6つのキーワードでご紹介します。
まず、わたしたちがどう志を達成しているのかというスタンスに関わるところで3つご紹介します。
例えば、わたしたちの代表作である「うなぎパイ」や店舗兼本社である「SWEETS BANK」について。いずれも一般的なお菓子、店舗にはない、違和感、遊び心を感じていただけると思います。
それは、働くわたしたちが持ち寄り、貫いた遊び心のたまもの。
まだ人がやったことのないことをつくるために、大の大人がとことん遊びきる。そうすることで他にないクオリティに仕上げるのが春華堂の価値の作り方です。さまざまな専門性をもつ大人たちが楽しくやり抜いて、祭りのように一個のアウトプットをつくりあげていく。遊んでいるようだけど、本気。
本気だから、遊ぶ。というところが「わたしたちらしさ」であると考えています。
お客様の感動をつくる本物の仕事は、企画から仕入れ、製造、販売の全ての工程を一切端折らない。
これが、わたしたちのお菓子作りの基本スタンス。そのため、皆さんがきっとご存知のうなぎパイも、実はひとつひとつ職人の手わざから生まれています。
仕入れにおいても、わたしたちは浜松の土地を愛し、浜松だからこその心の通ったお菓子作りをしたいと考えているため、地域の一次産業生産者に足を運び、彼らの育てた素材を大切に扱っています。
お菓子が生まれる前の紙とペンしかない段階から、わたしたちは想いのこもった手仕事を重ねます。
それが、真の感動をつくると信じて働いています。
わたしたちが本気で遊び、本物を重ねる理由。
それは、お菓子を通して「関わる人からその先にまで幸せを伝染させていきたい」からです。
わたしたちが作ったお菓子が、お客様の手に、そのお客様からまた別の誰かの手に渡るとき。その誰かが召し上がるとき……。
春華堂が関わるあらゆるシーンで笑顔が生まれ、誰かと共有したくなる幸せな時間になることを目指しています。
だからこそ、利益を独り占めするのではなく浜松やお菓子業界全体を盛り上げようという動きや、親子2世代にわたり春華堂で働くというご縁も生まれています。
お菓子を、幸せの伝染を生むためのツールだと捉えるのが、わたしたちならではのお菓子作りとの向き合い方です。
では次に、ここまでで共有した3つのスタンスを育んでいる、チーム春華堂の環境に関わるところをさらに3つご紹介します。
歴史が長く、社員数も多い春華堂。そのような会社だと「年功序列で成長の実感や新しいことへのチャレンジもしづらそう」という印象を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、わたしたちは「変革」の真っ只中。
そのため現在は、伝統を重んじつつも、むしろ新しいアイデアを求められたり、そのアイデアを実現していくために早いスピードで変化していくことのほうが多いです。
社員の年齢もさまざまですが、若いメンバーがリーダーシップをとる機会も増えています。
実際に、新卒1年目からSNSアカウントの責任者であったり店長への抜擢など成果を挙げるメンバーや、職人から商品企画へ職責を飛び越えて活躍するメンバーも。
年齢、性別、入社年数に関わらず、挑戦の機会を掴める環境です。
日本らしい落ち着いたイメージを持たれることの多いわたしたちですが、働くメンバーひとりひとりに目を向けると、実はそれぞれに個性が光る愛され人間たちの集合体です。
凛とした穏やかなタイプの人もいれば、人を笑わせるのが大好きな盛り上げ役や、仕事にガムシャラな猪突猛進なタイプの人もいます。そこはまるで動物園のよう。
また経歴も、まったくの異業種から転職してきた人もいれば、職人歴ひとすじ数十年の人もいたりとさまざま。
それぞれの個性が集まって「人生を豊かにするつながりを広げていく」という共通の志に向かうからこそ、まだ誰もやったことのない「真の感動」を生み出せると信じています。
上記の5つなど他のどんな要素がそろっても、そこに関わるすべての方々への思いやりがなければ、わたしたちの志は実現できません。
たとえ思いやりの気持ちがあっても、行動で示すことができなければ、そこから「人生を豊かにするつながりを広げていく」ことはできません。
相手の方と出会い、触れ合うことのできる一瞬で、思いやりある行動を欠かさないようにするためには、前提としての規律を重んじることが必要不可欠だと考えています。
例えば、お客様へのおもてなしの仕方ひとつひとつにも礼節を徹底。
会議の場ではときに厳しい声も発せられ、その一方で気持ちよく話し合いを進められるようにリーダーが率先して場を和ませる。
思いやりがあるからこそ規律を重んじ、規律を守ることで思いやりを示すといった両軸を大切にしています。
わたしたち春華堂の志の達成へのスタンスや、どんなチーム環境なのか、伝わりましたでしょうか?
ご紹介した6つのキーワードを具体的にどのようなシーンで体現しているか気になった方は、ぜひ各項目のリンクを見てみてくださいね。
わたしたちの社風・価値観に共感し一緒に体現したいと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、ご応募楽しみにお待ちしております。
効率化に偏重する社会で、「人生を豊かにするつながりを広げていく」ことを目指すわたしたち。
お菓子作りにとどまらず、お菓子を軸として広げられるつながり作りのアイデアや、それを実現するためのオーナーシップの担い手が必要です。
そんな変革真っ只中の春華堂で、どんな方と一緒に働きたいか、その人物像を思い描いてみました。今、春華堂に興味を持ってくださっているあなたが、春華堂で働くことで人生を豊かにできそうか、ご自身の心に正直に確かめていただける機会になれると幸いです。
・仕事を通じて、地域や社会を笑顔にすることにワクワクを感じる方
・自分や他人の個性を大切にできる、人に愛され人を愛することができる方
・「必要ではないけれど、人生を豊かにするもの」の存在意義に共感していただける方
・自分の家族、友人など周りの人を笑顔にすることが好きな方
・相手が何をされたら喜ぶか、常にアンテナを立てて、考えている方
・自分1人ではなく仲間を巻き込み、人が喜ぶことを企画するのが好きな方
・人から何かに誘われたら、特に興味がなくてもやってみて楽しさを見いだせる方
・相手からの指摘や意見を素直に受け取め、吸収できる方
・礼節を弁えた、凛とした人に憧れる方
・会社の目指す方向には興味がなく、とりあえず名の知れた会社に就職しておこうという考えの方
・自分にない価値観や考えを否定し、関心を寄せない方
・手柄は自分1人のものにしたいという方
・何事にも手間をかけず、質が落ちたとしても効率を優先したい方
・変化に対応したり、新しいことを始めたりすることにストレスを感じる方
・人との関わりを億劫に感じる方
・自分が満足すれば、ルールや目標は守らなくても平気な方
春華堂で働くことで、自分自身、そして関わる方の人生、さらには浜松の街まで豊かにしたいという広い視野で、これからの春華堂を作っていきたい。
だからこそ、わたしたちは「自分と周りが喜ぶことに素直に進む、愛され仕切り屋さん」を求めています。
ご自身にぴったり当てはまると感じたあなた!春華堂でお待ちしています。
「人生を豊かにするつながりを広げていく」
わたしたちは、この志の実現を目指すなかで、「温故創新」という経営方針を掲げています。
これまでに培ってきた伝統を重んじながら、自由で新しい発想をもって、まだ誰も生んだことのない喜びと感動をお客様に提供する。
そんな「温故創新」をテーマに、春華堂がどのような取り組みをしていくのか、そのテーマを実現するうえでどのような部分を伸ばしていく必要があるのかをご共有します。
世界には、文化を通して知られる街が多くあります。
わたしたちにも、長年浜松の地で営んできたお菓子作りを生かしてできることがあると考え、浜松の長所を築いている企業様や街の方々と連携しながら、「浜松といえば」という文化の起点となっていくことを目指します。
お菓子を作るだけでなく、「お菓子を通じた体験の場作り」に力を入れる中で、わたしたちはnicoe,SWEETS BANKという施設をオープンさせました。これはまちづくりにおいてのハード面だと考えています。次のステップでは、ソフト面にも取り組んでいきます。
特に力を入れているのは、「食」を通じた教育の場づくり。
パティシエやお菓子職人、農業といった職に就く方は次第に少なくなってきています。
浜松でのお菓子作りの経験や農家の方々とのつながりを持つわたしたちだからこそ、そんな状況に目を向ける必要があると考えています。
そこで、「リベラルイーツ」(「あらゆる分野の教養を横断的に身につける」という意味の「リベラルアーツ」にちなむ)と称し、「食」に豊かな人材を育てると同時に、食に関わる「職」やその仕事内容を学んでもらうきっかけ作りをしていきます。
【具体的な企画例】
・カカオラボ
nicoe内にオープンしたカカオラボでは、春華堂メンバーのレクチャーのもと、子どもたちが自分たちの手でカカオ豆をむくところからオリジナルチョコレートを作るという体験ができます。「利きチョコ」という大人が楽しめるコースも。普段わたしたちがチョコレートを食べるまでの背景を楽しく学べます。
・小中学校と提携したアカデミー
春華堂のパティシエや、わたしたちが実際に関わってきた生産者さんとの触れ合いやワークショップ、浜松に根付く農家の見学を通して、地元の食材の魅力とそれがどのように育まれているかを学べるアカデミーを計画中です。
日本古来の食文化である「五穀と発酵」を和菓子に取り入れた「五穀屋」、厳選した国産小麦と大豆を原料とした酵豆をブレンドした「粉」を味わう「こねり」。
春華堂が新たに生み出した2つのブランドに共通するのは、栄養があって味もいい、日本の伝統的な「滋味」をお菓子で表現している点。
日本中を旅しながら見つけた、こだわり抜いた「本物」の素材が魅力のこの2つのブランドを、浜松を起点にうなぎパイに継ぐブランドへ育てていきます。
ありがたいことに、ご縁あって参加させていただいたフランス大使館主宰のイベントや、ミラノ万博などでも評価していただくという機会にも恵まれました。
そういったご縁を大事に紡ぎながら、浜松から日本の食の魅力を世界に発信していくことにも貢献していきます。
浜松には「やらまいか(=やってやろうじゃないか)」という気風があります。音楽や自動車、バイクなど浜松から世界を代表する産業を生み出した企業の礎となっているのも、この「やらまいか精神」だと言われています。
わたしたち春華堂は、前章のような新しい挑戦を目指す一方で、世間には「老舗」「うなぎパイの会社」というイメージが定着しています。そのイメージにとどまることなく変革を進めていくには、春華堂の描くビジョンを自分のこととして捉え「やらまいか精神」を実践できる人財をもっと育成していく必要があると感じています。
そのため、率先して業務の改善提案をあげられる仕組み作り、若手のうなぎパイ職人が自ら職人の成長制度や学生を対象とした「食育」の内容を考案、活躍したメンバーの表彰など、オーナーシップを持って「やらまいか精神」を体現でき、その行動が評価される機会の創出に着手しています。
オーナーシップをもって挑戦できる仕組みを整えている最中ではありますが、そういったメンバーが経営陣を目指せる仕組み作りには、正直まだまだ課題があります。
現在、経営者を目指すための勉強の機会を設けはじめ、その仕組み化を試みているところです。
ここから10年間で年齢や入社年数にかかわらず経営陣になるというフローを定着させることを目指します。
1社のみで社会人生活を過ごすことが当たり前ではない時代ですが、社内で2世3世が現れるということは、地域に根ざす会社の証でもあると考えています。(現在、夫婦や親子揃って春華堂で働くメンバーは15組ほど)
実際にお子さんが入社されるかはともかく、春華堂メンバー、そしてその子供たちが食育、職育を楽しく学べるための働きかけが必要だと考え、近くメンバーのお子さんの会社見学などのイベントを企画中です。
「お菓子作りから生まれるつながりを生かしたまちづくり」を目指すにあたり、まずは社内からその可能性を広げていきたいと考えています。
以上が、春華堂の変革への道標です。
浜松のまちづくりの起点となることにワクワクしてくださった方、ぜひ春華堂で「やらまいか精神」を発揮してみませんか?ご応募お待ちしております。
お菓子の変遷、お菓子作りにとどまらない場作り、体験作り、組織の革新。
創業130余年にわたる歴史を振り返り、わたしたちの今につながるあゆみのポイントを解説していきます。
春華堂が創業して初めて作ったお菓子は、実は「甘納豆」でした。
宇津ノ谷峠に、茶屋の息子としてに生まれた山崎芳蔵が、故郷を離れ浜松へ渡って以降売り始めたのが「甘納豆」。それが春華堂のはじまりでした。芳蔵は、当時浜松の寺院でお歳暮として配られていた「浜納豆」に着想を得て甘納豆の発明に至ったといいます。「甘納豆」は、万人受けする甘さと日持ちの良さも相まって浜松土産の定番となりました。贈り物としての春華堂のお菓子の歴史は、創業時から根付いていたものなのかもしれません。
時は下り、芳蔵の息子、幸一が2代目として芳蔵の後を継ぎます。幸一は、日本固有の鶏「ちゃぼ」の卵に見立てた和菓子「知也保」を考案。こちらも風雅な竹籠入れのパッケージが支持され、甘納豆に継ぐ贈答品の定番ヒット商品となりました。その後、幸一によって「有限会社春華堂」が設立されました。
先述の通り、創業明治二十年の老舗菓子店でその歴史の中には「甘納豆」「知也保」等の看板商品がありました。しかし、二代目社長の幸一はそれを超える新しい浜松ならではのお菓子を作りたいと日々思案していたそうです。
そんな中、とある旅先で耳にした「浜名湖といえば、うなぎが美味しいところですよね。」という言葉をもとに、浜名湖周辺の素材である「うなぎ」を活かすことをひらめきます。当時浜松よりも有名だった浜名湖の素材である「うなぎ」と、日本ではまだ珍しかったフランス菓子の「パイ」を組み合わせ、「うなぎパイ」が考案されたのです。
「夜のお菓子」というキャッチフレーズには「家族団らんの時間に食べてほしい」との想いが込められ、幸一が医学の道を目指していたこともあり、「みんなが元気になる」栄養食品としての意味も含ませました。
もともと栄養価の高いうなぎに体力回復、視力保持に良いとされるビタミンA、隠し味にガーリックを使い、販売を開始した「うなぎパイ」は、異色の組み合わせと「夜のお菓子」というキャッチフレーズといった遊び心が功を奏して、60年以上のロングセラー商品に大きく成長しました。
本気で遊び、どこにもない価値を創造するというわたしたちの革新の原点はここにあります。
そのユニークさをテレビでも露出し、すでにロングヒット商品となっていたうなぎパイ。2001年以降、現在の代表である4代目・山崎貴裕の入社をきっかけに、ブランディング・マーケティングに注力することに。製造部、営業部、直営部、総務部に加え、商品企画と広報宣伝業務を兼務した企画部が立ち上がり、さらに遊び心をきかせたグッズや公式キャラクターの「うなくん」が誕生しました。
そして、「うなぎパイのひみつを知ろう」をテーマに、一般のお客様に工場見学をしていただける「うなぎパイファクトリー」をオープン。当初、企業秘密保持の観点から、工場見学には反対の声も多数。しかし、お菓子そのものをお届けするだけでなく、「お菓子を通じて人々を喜ばせたい」という理念のもとで実現に踏み切りました。その結果、オープン初日の来館者はなんと1万人!現在では年間70万人を超える来館者が訪れる施設となりました。
工場見学を楽しみながら、職人の手わざでうなぎパイを作るというこだわりを感じていただくという「食育」のタネにもなっています。
うなぎパイファクトリーのオープンを皮切りに、うなぎパイにとどまらない提供価値の追求は加速していきます。そして「お菓子の新しい文化とスタイルを発信する、浜北スイーツ・コミュニティ」というコンセプトのもと、「nicoe」をオープンしました。社内で発足した「nicoe事業部」と名だたるクリエイターにより構想から4年をかけて実行に至った、わたしたちの「本物を重ねる」というこだわりが光る場になっています。
さらに、今度は日本らしさを取り入れた「五穀屋」、「粉」を味わい楽しむ「こねり」が誕生。うなぎパイに継ぐブランドの創出に着手しました。
子どもたちが食に触れる「食育」、パティシエなど「食」にまつわる「職」に触れる「職育」の場として、nicoe内にカカオラボをオープン。実際のチョコレートづくり体験を通して、チョコレートがどれだけの工程を経て手元に届くのか、カカオ豆や生産地にはどれほどのバリエーションがあるのかを楽しく学べます。
体験をレクチャーするのは春華堂のメンバー。カカオラボのオープンには、もともと春華堂のお菓子で扱ったことがなかったカカオを取り入れた商品作りを進めるにあたり、わたしたちがカカオについて熟知する必要があるという背景もあります。
日本一行きたくなるオフィスを目指し、本社の新社屋に一般客の方も使っていただけるカフェやショップも併設した「SWEETS BANK」をオープンしました。
建物の外観は大きな食卓を模しており、「家族団らん」をイメージしています。
このSWEETS BANKは浜松いわた信用金庫との複合施設にもなっており、外観・機能を含め浜松のまちづくりを担う場となることを目指しています。
「菓子屋」からブレることなく、お菓子のさらなる可能性を追求し、「攻め」の姿勢で新しいことに挑戦し続けてきた春華堂。しかし、まだまだ変革は止まりません。
続きが気になる!という方は、「これからの春華堂」も見ていただけると幸いです。
まだどこにもない価値を作り、関わるすべての人を笑顔にする。
そんな一瞬を作るために、わたしたち自身が妥協せずに「本気で遊ぶ」という文化があります。
では、どんな風に、どれくらい本気で遊んでいるのか?
2014年にオープンした浜北スイーツ・コミュニティ「nicoe」誕生までのストーリーを例にご紹介します。
2005年の「うなぎパイファクトリー」のオープンから約10年弱が経ち、お菓子を通して、子どもたちが「夢見る」、大人たちが「ときめく」場所を新たに作りたい。
そして構想したのが、「お菓子の新しい文化とスタイルを発信する、浜北スイーツ・コミュニティ」nicoeです。
裏コンセプトは「脱・うなぎパイ」。訪れた人の意表をつき、驚かせ、感動させる。うなぎパイが実現しているような価値を場としても体現したいと考え、nicoe実現という大人たちによる大規模な遊びの計画が始まりました。
まずは社内でプロジェクトメンバーを募集し、nicoe事業部を発足するところから始まりました。
集まったのは、関わる人を喜ばせることに本気なメンバーたち。
nicoe事業部を筆頭に、既存の部署でもnicoe実現のための動きが始まりました。
企画部は、ブランドコンセプトの作成やパッケージデザインを手掛け、nicoeオープンに際して立ち上げた新ブランド「五穀屋」のロゴを100パターン以上も考案。
製造部は、nicoeで販売する和洋菓子の商品化に向けて試作と製造を担当し、さらには和菓子の実演販売まで計画。
経理部は、ゼロから事業計画を立てていく中で、売上額の期待値を高く設定。
総務部は、「表現力やエンターテイメント性のある接客」を目指してnicoeで働くスタッフをイチから育成。
経営管理室、社長室はnicoe完成までのスケジュール管理とプロモーション戦略を担当。
プロジェクトメンバー総勢で国内の主要なテーマパークを体験したり、東北の雑穀や醤油の生産者を訪ねたりといった現地視察や情報収集も重ねました。
既存の事業と並行して初めて試みる大規模なプロジェクトの中、思い通りにいかずつまずくシーンも多々ありました。しかし、各プロジェクトメンバーがユーモアなアイデアと前向きな気持ちを絶やさず、部署の垣根を超えて一致団結で完成に向かいました。
お菓子のお店として機能するだけでなく、nicoeの空間全体を楽しく心地よいものにしたい。
そのために、nicoe内のあらゆるクリエイティブにオリジナリティ溢れるユニークさを宿し、とっておきの世界観とクオリティに仕上げようと決意しました。
そこでご協力いただいたのが、さまざまな分野で日本を牽引するプロフェッショナルなクリエイターの面々。
食やデザイン、各分野のプロフェッショナルの方々にオファーをし、その才能の掛け合わせでオリジナリティ溢れるnicoeの世界観が生まれました。
2ティ溢れるnicoeの世界観が生まれました。
2つの円を重ねたロゴマーク、それぞれのブランドコンセプトを反映したスタッフのユニフォーム、スペースごとにセレクトされた音楽、「咲く。香る。そよぐ。癒される。」がテーマの植栽、ロゴをモチーフにしたサイネージ…全てに各プロフェッショナルたちの遊び心が宿っています。
nicoeには、関わる方を笑顔にすることに本気な大人たちの、遊び心を持ち寄った結果が詰まっています。
こうしてオープンしたnicoe。しかし、生み出した事業を継続し、さらに大きく育てるまでが「大人の本気」です。
そしてこのnicoeオープンは、2021年にオープンした、建物自体が「家族団らんの食卓」をモチーフとし、日本一行きたくなるオフィスと掲げたSWEETS BANKオープンという、更なる本気の遊びのエンジンとなっています。
社内・社外の垣根を超えて、プロフェッショナルを巻き込み、1つ1つを最高のクオリティで創りあげる。それがわたしたちの遊び方、まだない価値の作り方です。
IT化、機械化する世の中で、わたしたちは「本物を重ねる」お菓子作りの姿勢を貫く。
それは、効率ではなく「つながりこそが人生を豊かにする」という信念があるからです。
ここでは、わたしたちがどのように本物を重ね、人生を豊かにするつながりづくりと向き合っているか、お菓子作りの流れに沿ってご紹介します。
お菓子に仕様するフルーツや穀物などの素材は、わたしたちが直接農家さんに出向いて仕入れることを大事にしています。
仕入れ業者の方にお任せすることもありますが、その素材がどのように育てられているか、どんな方が育てているのかをわたしたち自身の目で見て話を伺うことで、味にも質にもイチからこだわった商品をお客様にお届けします。
そして、わたしたちのお菓子を通して、素晴らしい農家さんが育てる素材そのものの良さをお客様に知っていただくきっかけにもなりたいと考えています。
春華堂は、手づくりでなければ守れない美味しさは、機械に頼らず「職人の手わざ」にて作り出すということを大切に守っています。
工場見学でお客様にご覧いただくこともできるように、1日20万本、年間約8000万本の売り上げを誇るうなぎパイも、生地の仕込みから焼き上げまで、一枚一枚職人の手作業によるもの。
また、熟練の職人から若手へとその技を継承していくために、「心・技・体」揃った職人の「師範」となるまでの育成制度を設けています(師範制度)。
どの業界でも時代とともに減少していく「職人の手わざ」にこだわり、その背景まで含めた本物の美味しさを届けます。
一度発売した商品の仕様変更は基本的に行いません。なぜなら、これまでそのお菓子を愛してくださった方をがっかりさせてしまいかねないから。
それでも、万が一製造過程において安全性や味はもちろん、見た目も含めて商品の質を欠いてしまうような問題が起きてしまった場合は、販売をストップし課題が改善されてから販売を再開することもあります。
細かなところまで一切妥協せず、自信を持って本当に良いと言える商品を企画し、それが完成して初めてお客様にお届けする。だからこそ、発売したら極力仕様は変えないということを貫いています。
わたしたちの仕事は、お菓子を作るだけにとどまりません。
お取引先に春華堂やお菓子の長所をお伝えし、陳列棚をチェックする営業。
マニュアルだけではなく、目の前のお客様、その先のお客様を想った商品のご紹介やご相談に乗る接客。
長い期間と大きな予算をかけてでもデザイン性を追求したnicoeやSWEETS BANK。
お菓子を持ち帰っていただくまでの時間をかけがえのないものにする、営業・販売の場作りもわたしたちの「職人技」です。
一次生産者から職人、社員、販売員と、想いのこもった手仕事を重ね、その工程を一切端折らないことで、真の感動があるものを生み出していきます。