「人生を豊かにするつながりを広げていく」
わたしたちは、この志の実現を目指すなかで、「温故創新」という経営方針を掲げています。
これまでに培ってきた伝統を重んじながら、自由で新しい発想をもって、まだ誰も生んだことのない喜びと感動をお客様に提供する。
そんな「温故創新」をテーマに、春華堂がどのような取り組みをしていくのか、そのテーマを実現するうえでどのような部分を伸ばしていく必要があるのかをご共有します。
「温故創新」をテーマとした今後の取り組み
お菓子作りから生まれる「つながり」を活かしたまちづくり
世界には、文化を通して知られる街が多くあります。
わたしたちにも、長年浜松の地で営んできたお菓子作りを生かしてできることがあると考え、浜松の長所を築いている企業様や街の方々と連携しながら、「浜松といえば」という文化の起点となっていくことを目指します。
1.「食育」と「職育」
お菓子を作るだけでなく、「お菓子を通じた体験の場作り」に力を入れる中で、わたしたちはnicoe,SWEETS BANKという施設をオープンさせました。これはまちづくりにおいてのハード面だと考えています。次のステップでは、ソフト面にも取り組んでいきます。
特に力を入れているのは、「食」を通じた教育の場づくり。
パティシエやお菓子職人、農業といった職に就く方は次第に少なくなってきています。
浜松でのお菓子作りの経験や農家の方々とのつながりを持つわたしたちだからこそ、そんな状況に目を向ける必要があると考えています。
そこで、「リベラルイーツ」(「あらゆる分野の教養を横断的に身につける」という意味の「リベラルアーツ」にちなむ)と称し、「食」に豊かな人材を育てると同時に、食に関わる「職」やその仕事内容を学んでもらうきっかけ作りをしていきます。
【具体的な企画例】
・カカオラボ
nicoe内にオープンしたカカオラボでは、春華堂メンバーのレクチャーのもと、子どもたちが自分たちの手でカカオ豆をむくところからオリジナルチョコレートを作るという体験ができます。「利きチョコ」という大人が楽しめるコースも。普段わたしたちがチョコレートを食べるまでの背景を楽しく学べます。
・小中学校と提携したアカデミー
春華堂のパティシエや、わたしたちが実際に関わってきた生産者さんとの触れ合いやワークショップ、浜松に根付く農家の見学を通して、地元の食材の魅力とそれがどのように育まれているかを学べるアカデミーを計画中です。
2.うなぎパイに継ぐブランドの育成
日本古来の食文化である「五穀と発酵」を和菓子に取り入れた「五穀屋」、厳選した国産小麦と大豆を原料とした酵豆をブレンドした「粉」を味わう「こねり」。
春華堂が新たに生み出した2つのブランドに共通するのは、栄養があって味もいい、日本の伝統的な「滋味」をお菓子で表現している点。
日本中を旅しながら見つけた、こだわり抜いた「本物」の素材が魅力のこの2つのブランドを、浜松を起点にうなぎパイに継ぐブランドへ育てていきます。
ありがたいことに、ご縁あって参加させていただいたフランス大使館主宰のイベントや、ミラノ万博などでも評価していただくという機会にも恵まれました。
そういったご縁を大事に紡ぎながら、浜松から日本の食の魅力を世界に発信していくことにも貢献していきます。
上記を実現するうえで今後伸ばしていきたい部分
「やらまいか精神」をつなぐ人財の育成
浜松には「やらまいか(=やってやろうじゃないか)」という気風があります。音楽や自動車、バイクなど浜松から世界を代表する産業を生み出した企業の礎となっているのも、この「やらまいか精神」だと言われています。
わたしたち春華堂は、前章のような新しい挑戦を目指す一方で、世間には「老舗」「うなぎパイの会社」というイメージが定着しています。そのイメージにとどまることなく変革を進めていくには、春華堂の描くビジョンを自分のこととして捉え「やらまいか精神」を実践できる人財をもっと育成していく必要があると感じています。
そのため、率先して業務の改善提案をあげられる仕組み作り、若手のうなぎパイ職人が自ら職人の成長制度や学生を対象とした「食育」の内容を考案、活躍したメンバーの表彰など、オーナーシップを持って「やらまいか精神」を体現でき、その行動が評価される機会の創出に着手しています。
経営者育成の土台づくり
オーナーシップをもって挑戦できる仕組みを整えている最中ではありますが、そういったメンバーが経営陣を目指せる仕組み作りには、正直まだまだ課題があります。
現在、経営者を目指すための勉強の機会を設けはじめ、その仕組み化を試みているところです。
ここから10年間で年齢や入社年数にかかわらず経営陣になるというフローを定着させることを目指します。
自分の子どもを入社させたいと思える会社へ
1社のみで社会人生活を過ごすことが当たり前ではない時代ですが、社内で2世3世が現れるということは、地域に根ざす会社の証でもあると考えています。(現在、夫婦や親子揃って春華堂で働くメンバーは15組ほど)
実際にお子さんが入社されるかはともかく、春華堂メンバー、そしてその子供たちが食育、職育を楽しく学べるための働きかけが必要だと考え、近くメンバーのお子さんの会社見学などのイベントを企画中です。
「お菓子作りから生まれるつながりを生かしたまちづくり」を目指すにあたり、まずは社内からその可能性を広げていきたいと考えています。
以上が、春華堂の変革への道標です。
浜松のまちづくりの起点となることにワクワクしてくださった方、ぜひ春華堂で「やらまいか精神」を発揮してみませんか?ご応募お待ちしております。